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【試乗記】ポロGTI〜前編
100626-Polo-01.jpg日本導入が待たれるポロGTIを、レーシングドライバーであり、モータージャーナリストとしても活躍する桂 伸一さんがドイツで試乗。果たしてポロGTIの実力は?

写真提供:Volkswagen Group Japan
Volkswagen AG

光りモノを排し、ブラックアウトされた精悍なフロントマスクに、赤いフチ取りが入る。それが "GTI"の証しであることはVWファンのみならず世界中が知っている。

1.2 TSIを大絶賛したばかりのポロに、さらに隠し球が用意されていた。ポロの最強モデル、GTIの復活だ。ただしそれは本国での話。

100626-Polo-02.jpgポロGTIの国際試乗会に招かれて、ドイツ・フランクフルト空港に降り立つ。出迎えてくれたポロGTIを一見すると、まるで"ミニゴルフGTI"...なのだが、冷静に眺めると、ゴルフほど幅広感はない代わりに高さのある「四角」の印象が強い。つまり縦横比が違う。
100626-Polo-04.jpg17インチの丸型5ホールのGTI専用ホイールと、赤いブレーキキャリパーが足元を引き締め。15mm低い、いかにも安定した姿勢をつくるサスペンションもGTI専用。さりげなく追加されたエアロパーツの類が、標準ボディの空力性能の高さを物語っている。
100626-Polo-03.jpgエンジンは1.4 TSI 。直噴4バルブヘッドにスーパーチャージャーとターボによるツインチャージャーと7速DSGを組み合せる。
100626-Polo-05.jpg100626-Polo-06.jpg
GTIの車重は1.2 TSIよりも100kg増加の1194kg。しかし180ps/250Nmのエンジン出力が、0ー100km/hを6.9秒で駆け抜け、229km/hの最高速度に誘ってくれる。

室内はお馴染みのチェック柄のシート。GTIのロゴが各所に配されてスポーツムードを盛り上げる。

フランクフルト空港で受け取ったポロGTIに、ドライバーを含むオトナ4人が乗り込み、目指すは新型車開発テストの聖地、ニュルブルクリンク!! 実はこのサーキットに隣接するホテルが試乗会の基地。ということは、GTIでニュルを走破できるのか...と淡い期待を抱く。

しかし当日は年に1度、恒例のニュル24時間レースの開催日。したがって試乗は空港からアウトバーンA3をケルン方向に向かう超高速走行と、ニュル周辺のカントリーロードで確認することにした。

100626-Polo-07.jpg空港を後にし、まずは小手調べにアウトバーンへの流入の半径の小さなアールを100km/hで進入する。やや、オーバースピードぎみなのだが、どうか? ステアリングを大きく切り込むと、それに伴いロールが...と思いきやボディの傾きは驚くほど少ない。
15mm低い車高も安定した姿勢に貢献するが、まずはGTI専用サスペンションが硬い設定だからロールが少ない。タイヤからの悲鳴、スキール音すら鳴らさず、スルリとコーナーをクリアした。前輪はもちろん後輪の接地安定性の高さは、タイヤのグリップ力に見合うハードなスプリングレートやダンパー、スタビライザーがGTI専用として、巧みにチューンされている効果だ。この安定性はクラスで右に出るものはいないだろうと思う。

100626-Polo-08.jpg走り出した瞬間から引き締まった硬さを感じていたが、それは路面の荒れや突起物に対してサスペンションが正確に上下に動き、その動きをダンパーが収束するためだ。
だから、"硬い"といっても、跳ねたり飛んだりはしない自然な「硬さ」。その硬さの意味は、こうしてアウトバーンを200km/hオーバーで走行するため、と考えれば納得がいく。

100626-Polo-11.jpg合流してフル加速する。と3000rpm付近からまるで"ディーゼル"のような重低音の響き。ゴルフGTIのような高周波の音色とは違うのはなぜだろう。
その疑問に答えてくれたのは、今年もニュル24時間に参戦中のVWの重役、Dr.ウルリヒ・ハッケンベルグ副社長。「従来のGTIとは違う音色のチューンを行いました。ドイツにはディーゼル・スポーツサウンドという呼び方があります」。

太い重低音サウンドは狙って造られたものだった。

(後編に続く)
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