【試乗記】新型トゥーラン
2002年に登場したフォルクスワーゲンのコンパクトミニバン「トゥーラン(日本ではゴルフトゥーラン)」がモデルチェンジを実施し、ドイツではこの8月からデリバリーが始まっている。日本もいずれこの新型に切り替わるはずで、新型シャランの国際試乗会後にドイツで乗るチャンスを得た。
新型トゥーランの特徴は、なんといってもそのフロントマスク。最新のブランドフェイス(一部、関係者のあいだでは"デ・シルバ顔"と呼ばれている!?)を手に入れたわけだが、ワッペングリル→デ・シルバ顔と、4年おきに大変貌を遂げることになるとは、誰が予想できただろうか?
ヘッドライトやドアミラーなどにも、最新のフォルクスワーゲンのスタイルが見られるが、その一方で、サイドのドアパネルは旧型と共通であり、また、サスペンションやステアリングといったシャシーも、基本設計は旧型を受け継いでいる。
インテリアも、メーターパネルやステアリングホイール、エアコンの操作パネルなどがリニューアルされているが、ダッシュボードやドアトリムなどは見覚えのあるデザインだ。
つまり、今回のモデルチェンジは、デザインのリニューアルが中心で、意地悪な見方をすれば"超ビッグマイナーチェンジ"というレベルである。もしもこれが日本のメーカーなら、極力原型を留めないようにして新しさをアピールするだろうが、そこまで徹底しないのが、フォルクスワーゲンらしいところでもある。
ちなみに、今回試乗したトゥーランには、140ps版の1.4 TSIツインチャージャーと7段DSGが搭載されていた。
というわけで、案の定、その走りっぷりに劇的な変化は見られず、新型ゴルフ/ゴルフヴァリアントにように静粛性が大幅に改善された......ということもなかったものの、あらゆる部分が熟成され、着実に進化しているのは予想どおりだった。
うれしい発見としては、DCC付きの試乗車の操縦安定性と乗り心地が実に高いレベルにあったことだ。現行トゥーランでも十分な快適性を備えているが、路面によっては16インチタイヤが路面の荒れを拾ったり、リアからの突き上げを伝える場面がよくある。
その点、DCC付きの新型トゥーランは、ノーマルモードでは適度な硬さを示しながら、快適な乗り心地をもたらしている。1インチ大きい225/45R17サイズのタイヤも、上手く履きこなしているという印象だ。アウトバーンでのフラット感やスタビリティの高さも抜群で、安定感と快適さのバランスが非常に優れていた。快適指向に振りすぎた(!?)シャランよりも、このトゥーランの味付けのほうが、個人的には好ましいと思ったほどだ。値段にもよるが、日本でもDCC付きのトゥーランが選べるといいのだが......。
残念ながらノーマルサスペンションの新型トゥーランには乗れなかったが、DCC仕様の仕上がりを考えると、期待していいだろう。日本仕様がどんなスペックかは明らかにされていないが、ニューモデルの導入がいまから楽しみである。
2010年8月10日 00:00
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